マレーシアでの出会い
筆者が日常的にスマートフォンをナビゲーションとして使うようになったのは、2020年のことでした。当時、長期滞在していたマレーシアでの経験がきっかけです。
現地では、「GRAB(グラブ)」という配車アプリが生活の足として定着していました。グラブは、ソフトバンクグループが出資していることでも知られる、東南アジア最大手のライドシェアサービスです。
その仕組みは非常に合理的でした。スマートフォンひとつで車を呼び、行き先を指定し、決済まで完結します。乗車前に料金がわかるため安心感があり、ドライバーはスマホのナビに従って目的地まで走ります。
日本ではあまり馴染みのないシステムですが、マレーシアで日々これを利用する中で、スマホのナビゲーションが実用的であることを知りました。これが、私のカーライフが変わる最初の接点でした。
帰国後の選択
日本に帰国後、自分の車を運転する際にも、自然とスマートフォンを使うようになりました。
以前から車にはカーナビがついていましたが、マレーシアでの生活ですっかりスマホの操作に慣れてしまっていました。iPhoneなら、マイクに向かって話しかけるだけで目的地が設定できます。この「音声操作の手軽さ」が、私にとっては非常に魅力的でした。
当初は、カーナビよりもスマホが優れているとまでは感じていませんでした。しかし、常に手元にあり、使い慣れた操作感でそのまま車でも使えるというシンプルさが、私の生活スタイルには合っていたようです。
アプリの使い分け
それから5年。私は現在、「Apple CarPlay」をメインに使用しています。いくつかのアプリを試した結果、それぞれの特性に合わせて使い分けるようになりました。
当初使っていた「Googleマップ」は、検索能力に優れています。しかし、時として車がすれ違うのも難しいような細い近道を案内することがありました。最短ルートを優先するあまり、地元の人しか通らないような道を選ぶことがあるようです。
一方で、iPhone標準のマップアプリ(Apple CarPlay)は、比較的「大通り」を優先する傾向にあります。車の通りやすいメインルートを選んでくれるため、ゆったりと運転したい時にはこちらが向いています。現在は、このAppleのマップを日常的な運転のパートナーとしています。
ディスプレイオーディオの導入
3年前に車を買い替えた際、装備も変化しました。新しい車には従来のカーナビではなく、「ディスプレイオーディオ」と呼ばれるモニターを選びました。
これは、スマートフォンと車をつなぎ、スマホの画面を車のモニターに映し出すための装置です。ナビゲーションの機能そのものはスマホが担います。
地図データはスマホ側で常に更新されるため、車側のシステムに手を入れる必要がありません。音楽や電話も、使い慣れたスマホの画面と同じ感覚で操作できます。車というハードウェアと、スマホというソフトウェアが良い関係で共存していると感じます。
AIによる進化
最近では、スマホナビの世界にも「AI」の技術が入ってきました。
Googleの「Android Auto」には、生成AI「Gemini(ジェミニ)」の実装が進んでいます。これは運転中に届いたメッセージをAIが要約し、読み上げてくれる機能などが含まれます。ドライバーは画面を見ることなく、声だけで返信を作成してもらうことも可能です。
Appleも「次世代CarPlay」を発表しています。ポルシェやアストンマーティンといったブランドでの採用が決まっており、スピードメーターやエアコン操作まで、車のコクピット全体をiPhoneが統合して表示するシステムです。スマホと車の境界線は、ますますなくなってきています。
気になる通信料
スマホナビを使う上で気になるのが「通信料(ギガ)」ですが、実際のデータ消費量はそれほど多くありません。
一般的に、Googleマップでナビを1時間使用した場合のデータ量は、約5MB(メガバイト)から10MB程度と言われています。これは高画質の動画を数秒見る程度の量です。毎日使ったとしても、月間で1GB(ギガバイト)に届くかどうかという計算になります。
現在の携帯電話プランであれば、追加料金を心配することなく利用できる範囲内です。格安SIMなどのプランでも十分にまかなえます。
特別な機器を用意することなく、手持ちのスマートフォン一つで快適なドライブができる。そんなシンプルなカーライフが、私にとっては心地よい選択となっています。
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