「安全運転を学びましょう」——そう聞いて、私たちは専門家が教えてくれる安全な場所を思い浮かべます。しかし、もしその安全なはずの場所で、予期せぬ事故が起きてしまったらどうでしょうか。2025年9月15日、埼玉県川口市にある「飛鳥ドライビングカレッジ川口」という自動車教習所で、まさにそんな「まさか」の事故が起きてしまいました。バイクの安全運転講習会が、一転して事故の現場となってしまったのです。
事故はどのようにして起きたのか
事故が起きたのは、2025年9月15日の午前11時ごろのことでした。その日、教習所ではバイクの安全運転を学ぶためのイベントが開かれており、多くの人が集まっていました。
事故を起こしてしまったのは、なんと60代のベテランの先生（インストラクター）でした。先生は排気量1000ccもある大きなバイクに乗って、運転の見本を見せていました。ところがその最中、バイクが突然言うことを聞かなくなり、コントロールを失ってしまったのです。バイクはそのまま、講習会に参加していた人たちのいる場所へ突っ込んでいきました。
けがをされた方々は
この思いがけない事故で、バイクを運転していた先生を含む4人の男性がけがをしてしまいました。けがをされたのは、講習に参加していた50代から60代の方々でした。
そのうちお二人は、足の骨を折るなどの大けがを負ってしまいましたが、幸いなことに、病院に運ばれたときには全員意識があったということです。一日も早い回復を祈るばかりです。
私たちが考えるべきこと
この事故が私たちに投げかけるのは、非常に重い問いです。なぜなら、事故が起きたのは「安全を教える場所」で、事故を起こしたのは「安全を教えるはずの専門家」だったからです。
「ベテランの先生がいる管理された場所でさえ安全ではないのなら、私たちは一体どうやって自分の身を守ればいいのだろう？」——この事故を知った多くの人が、そう不安に感じたのではないでしょうか。
このような出来事が起きると、人々は「安全講習」そのものに疑問を抱いてしまうかもしれません。「専門家から身を守れないのなら…」という不信感は、社会全体で安全意識を高めていこうという大切な活動の妨げになりかねません。
