12月から年末年始にかけては、交通事故のリスクが高まる時期です。
川口警察署の交通課担当者に、年末年始の市内の交通事情と注意点について話を聞きました。
警察が強調していたのは、基本的ながらもこの時期に疎かになりがちな安全運転への意識です。
特に重要なポイントを解説します。

事故多発は「17時から19時」
まず注意すべきは、夕暮れ時の事故です。
警察署から提供された資料『令和7年10月作成・年末特別警戒』のデータによると、10月から12月にかけて、17時台、18時台の人身事故件数が突出して増加しています。
夏場であれば明るい時間帯ですが、冬場はすでに暗くなっています。
人間の目は急激な暗さに慣れるまで時間がかかります。いわゆる「薄暮(はくぼ)」の時間帯は、ドライバーから歩行者や自転車が見えにくくなります。
この見落としを防ぐため、警察では「16時のライト点灯」を強く推奨しています。早めの点灯は、自分の存在を周囲に知らせるために有効です。
国道122号「下り」の速度超過
川口市内の主要道路、特に国道122号(ワンツーツー)などの幹線道路では注意が必要です。
年末に向けて物流の交通量が増加します。
特に「東京から埼玉方面へ向かう下り車線」では、都心の渋滞を抜けた後、速度が出やすい状況になるためです。スピードが出ている状態での事故は重大な結果につながりやすいため、川口市内を走行する際は、速度と周囲の車の動きに注意する必要があります。
自転車と高齢者の動向
自転車の動きにも十分な注意が必要です。
「自転車は、後ろのクルマの動きを把握していないことが多い」との指摘があります。
特に高齢者が運転する自転車の場合、聴力の低下などにより、ハイブリッド車などの静かな接近音に気づいていない可能性があります。
車道側に急に膨らんでくるなど、予期せぬ動きをすることがあります。
資料によれば、10月から12月の歩行中の高齢者死者数は、7月から9月の約2倍に増加しています。
高齢者を見かけた際は、「車に気づいていない」という前提で、十分に車間距離を取ることが重要です。
ヘルメット着用の実効性
自転車利用時のヘルメット着用についても確認しました。
現在は努力義務となっていますが、安全面での効果は数字に表れています。
埼玉県警の資料によると、令和6年中の自転車事故死者19人のうち、約半数にあたる9人(47.4%)が頭部に致命傷を負っていました。
ヘルメットを着用しているかどうかが、事故時の生死を分ける大きな要因となります。
安価なものでも、頭部を保護する効果はあります。ご自身だけでなく、ご家族、特にお年寄りやお子様には着用を勧めてください。
飲酒運転と路上寝込み
年末年始は飲酒の機会が増えます。
飲酒運転の取り締まり強化により件数は減少傾向にありますが、「家飲み」の後の油断による運転には注意が必要です。
また、ドライバー側の注意点として「路上寝込み」のリスクが挙げられます。
駅周辺や繁華街では、泥酔した歩行者が路上で寝込んでいる可能性があります。特に深夜帯の走行では、路上に人がいるかもしれないという警戒が必要です。
予測不能な動きへの対応
川口市の地域特性として、外国籍の住民も多く暮らしています。
場合によっては、周囲の運転者に、交通ルールやライト点灯の習慣が十分に浸透していないケースも想定できます。
相手が誰であれ、予測できない動きが発生する可能性は常にあります。
対策としては、自転車や歩行者に対して「物理的に距離を取って運転する」ことが最も確実な安全策となります。
3つの重要ポイント
年末年始、安全運転のポイントをまとめると、以下の3点が特に重要です。
- 16時にはライトを点灯する(被視認性の向上)。
- 国道122号の下りなど、大通りでは速度を落とす。
- 自転車や歩行者からは、物理的に距離を取る。
年末年始を無事故で過ごすため、日々の運転でこれらの点を意識してください。
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