毎週、当サイトの中古車オークション成約件数ランキングをご紹介してきましたが、いつもご覧いただいている皆様は、そろそろこう思っていませんか?
「またトヨタのアクアか!」と。
おっしゃる通りです。今回(2026年2月20日~2026年2月26日)の直近取引データを集計した結果も、やっぱり「NHP10型」、すなわち初代トヨタ・アクアがダントツの強さを見せつけました。トップの座を確保したのはもちろんのこと、上位の大きな割合を占めるなど、まさに無双状態です。
しかし、「今週もアクアが1位でした」で終わってしまっては、あまりにも面白くありません。そこで今回は少し趣向を変えて、ランキングの奥底に潜む「今、市場で何が起きているのか?」という特徴と傾向を深く掘り下げてご紹介したいと思います。
そもそも2月、3月というのは、例年もっとも中古車の売買が盛んになる、いわば「春の祭典」の時期です。中古車販売店にとっては期末決算に向けた勝負時であり、在庫の仕入れに熱が入ります。一方、消費者にとっては4月からの新生活や新社会人生活を控えて、車を買い替えたり、初めての一台を購入したりする絶好のタイミングなのです。
さらに見逃せないのが、「自動車税」の存在です。毎年4月1日時点の所有者に対して課税されるため、その直前である3月末にかけて「税金を払う前に手放そう」という駆け込み売却が急増します。需要と供給が一年で最も激しく交差するシーズン、それが「今」なのです。
では、そんな激戦のランキングを見ながら、どんな車が活発に取引されているのか、具体的な車種を挙げながら見ていきましょう。
■やっぱり強い!「10年落ち」アクアの底力
まずはランキングの覇者、トヨタ・アクア(NHP10)です。今回特に目立ったのは、平成24年式や平成25年式、平成27年式といった、初期登録からすでに10年以上が経過している「S」グレードへの入札の集中です。
なぜ、ここまで古いアクアが飛ぶように売れるのでしょうか?
理由は明確で、「圧倒的なコストパフォーマンスと信頼性」です。新生活を始めるにあたり、車両購入の予算は限られているけれど、日々のガソリン代などの維持費は極力抑えたい。そんなリアルなニーズに対して、10年落ちとなって車両価格が手頃に落ち着きつつも、世界トップレベルの低燃費を誇るアクアは最強の選択肢となります。
また、トヨタのハイブリッドシステムに対する信頼性は国内外で非常に高く、国内の初心者マーク需要だけでなく、海外輸出向けとしても活発に取引されているという背景が、この異常とも言える人気を下支えしています。
■大躍進!プロの相棒「商用バン」がアツい
今回のランキングで最も注目すべき「異変」は、上位に商用バンが食い込んできたことです。堂々の2位にダイハツ・ハイゼットバン(令和2年式、S321V、DXグレード)、そして9位にも日産・ADバン(令和1年式、VY12、VEグレード)がランクインを果たしました。
この時期に商用車が大きく動く最大の理由は、法人や個人事業主による「決算期の車両入れ替え」です。年度末に向けて経費を使いたい、あるいは新年度からの業務拡大に向けて新しい足回りを確保したいという法人需要が爆発しています。
さらに近年では事情が少し変わってきています。個人間における「軽貨物配送業(ギグワーク)」の急激な拡大や、車中泊・アウトドアのベース車両としてのカスタマイズ需要も相まって、ハイゼットバンのような使い勝手の良いハコバンの価値が急上昇しているのです。かつては「プロの道具」だったバンが、いまや一般市場でも熱い視線を浴びています。
■新生活の鉄板!「初代N-BOX」包囲網
そしてもう一つ、忘れてはならないのが軽ハイトワゴンの絶対王者、ホンダ・N-BOX(JF1)の存在です。今回も平成24年式や平成25年式の「GLパック」や「カスタムG Lパック」が、上位層に複数台ランクインする勢いを見せています。
こちらもアクアと同様、10年選手が主役です。N-BOXの最大の魅力は、なんといってもその広大な室内空間にあります。自転車も楽々積めるほどの使い勝手の良さは、通学や通勤、週末の買い物など、新生活のあらゆるシーンにベストマッチします。最新型は装備も豪華で素晴らしいですが価格も跳ね上がっているため、「とりあえずの足として、安くて便利な車が欲しい」という層にとって、初代N-BOX(JF1)はドンピシャで刺さるのです。スタイリッシュな外観の「カスタム」グレードが特に人気を集めているのも、手頃な価格で見栄えの良い車に乗りたいという若年層のニーズを如実に表しています。
■あなたの家のその車、実はお宝かも?
いかがでしたでしょうか。先週のランキングから見えてきたのは、「新生活に向けた圧倒的なコスパ重視(アクア・N-BOX)」と、「年度末の法人・実用需要(ハイゼット・ADバン)」という、春の訪れを告げる2つの大きな波でした。
これを読んでいるあなたにお伝えしたいのは、今、市場が「手頃で実用的な車」に飢えているということです。
「もう10年も乗ってるし、うちの車なんて価値がないだろう…」
「仕事で使い古した傷だらけのバンだから、廃車にするしかないかな…」
そう思っているなら、ちょっと待ってください!もしかしたら、今あなたの家の駐車場に眠っているその車こそ、全国の中古車販売店が血眼になって探している「お宝」かもしれません。
自動車税の納付書がポストに届いてしまう前に。市場の熱気が最高潮に達しているこのタイミングで、一度ご愛車の本当の価値を確かめてみてはいかがでしょうか?
※権利の都合上、順位の詳細な記載は控えています。

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