2026年3月7日〜2026年3月13日の入札件数ランキング講評——ハイブリッド需要の底堅さと、輸出停止が招く「相場崩壊リスク」


今週のランキングを一言で言うと

「燃費車の強さと、輸出市場の崩壊リスクが、同時進行した一週間」です。

なお、本ランキングは著作権の関係から完全なデータを掲載することができません。本記事では全体の傾向と注目車種に絞って解説します。


またアクアがトップ——ただし今回は意味が違う

1位はまたしてもアクア(H25年式・Sグレード)でした。このコーナーをご覧の方はご存じの通り、アクアはほぼ毎回ランキングのトップに登場します。

ただし今週は背景が異なります。米国とイスラエルによるイラン攻撃で、日本の原油輸入の94%を依存する中東地域の供給網が直撃を受けました。ホルムズ海峡の通行に支障が生じており、日本経済への打撃は避けられない情勢です。こうした不安が、燃費35km/L超のアクアへの需要を一段と押し上げています。今週の入札内訳は国内小売向けが約62%、輸出向けが約38%と国内実需が主導しました。

プリウス(ZVW30)も上位に3回ランクインし、アクアと合わせてトヨタのハイブリッド2車種でトップ10の過半数を占めました。


最大のリスク——UAEの物流ハブが機能停止

今週のランキングで見逃せないのが、ADバン(VY12・令和1年式)の動向です。入札の約86%が輸出向けというほぼ純輸出型の車両ですが、その行き先であるUAEが今、戦場になっています。

2月28日以降、イランはUAEに向けてミサイル165発・無人機541機を発射。ドバイ国際空港やアブダビ空港が一時閉鎖され、世界最大の中継港であるジュベルアリ港への攻撃も報告されています。

ホルムズ海峡の封鎖により、UAEでの中古車海上物流のハブ機能が停止。日本の一部事業者ではUAEからの受注を停止しており、封鎖が長期化すれば日本国内で在庫が増え、中古車価格が下がる可能性があります。


輸出が止まると何が起きるか

UAEへの中古車輸送が困難になっており、すでに出荷が止まっているもようです。影響が長期化すれば、UAEを経由してアフリカや中央アジアへ流れていた輸出車両が日本国内に滞留し始めます。

具体的には次のような連鎖が起きます。

  • 輸出業者がオークションで買えなくなる: ADバンのような輸出向け人気車種の落札価格が下落。
  • 国内在庫が積み上がる: 捌き先を失った輸出車両が国内市場に流入し、全体の相場を押し下げ。
  • 買取価格が連動して下がる: 業者の仕入れ余力が低下し、個人からの買取価格も圧縮される。

原油価格の上昇で素材費・物流費が上がる一方、輸出停止で売り先が減る——この二重苦が日本の中古車市場に同時にのしかかる構造です。


国内需要は別の動きをしている

N-BOX(JF1)やヴォクシー(ZRR80W)は入札のほぼ全てが国内小売向けで、輸出はほとんどありません。軽自動車や国内向けミニバンは、今回の中東情勢の影響を輸出面では受けにくく、需給の変化は緩やかです。ただしガソリン高による維持費の上昇が、購買層の財布を間接的に締め付ける点は無視できません。


今週のまとめ

UAEへの攻撃はミサイル180発・無人機800機超に及んでおり、経済不安の長期化懸念が高まっています。情勢が収束しない限り、輸出向け需要の回復には時間がかかります。個人が車を売るなら、輸出停止が相場に織り込まれる前の今が、より有利なタイミングと言えるかもしれません。


参考:今週のトップ車種・アクアの買取相場

今週1位のトヨタ アクア(NHP10・H25年式・Sグレード)の現在の買取参考価格は以下の通りです。

買取参考価格:30,000円 〜 180,000円

※走行距離・修復歴の有無・車検残存期間・内外装の状態により変動します。輸出市場の停滞が長期化した場合、下限がさらに下がる可能性があります。売却をお考えの方は、早めの判断をおすすめします。

※本記事に記載の買取参考価格は、過去のオークション実績および市場データをもとに算出した参考値です。実際の買取価格は、走行距離・修復歴・車検残存期間・内外装の状態・地域・時期などの条件によって大きく異なる場合があります。あくまでも目安としてご参照ください。


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