自転車の「ヒヤリ」をなくせ!JAFが本気で教える安全運転の新常識

自転車は、私たちの暮らしに欠かせない便利な乗り物です。通勤や買い物、ちょっとしたお出かけまで、毎日多くの人が利用しています。しかし、その手軽さの裏側で、自転車が関わる交通事故が後を絶たないのも事実です。

「自分は大丈夫」と思っていても、いつどこで危険な場面に遭遇するかわかりません。そんな自転車の安全について、JAF(日本自動車連盟)が新たな取り組みをスタートさせました。誰にでも分かりやすく、今日から実践できる安全のヒントが満載です。

なぜ今、自転車のルールが重要なのか?

自転車には運転免許が必要ありません。そのため、交通ルールを学ぶ機会が少ないまま運転している人も多いのが現状です。

警察庁の統計によると、2024年中の交通事故全体のうち、自転車が関係する事故は高い割合を占めています。特に、交差点での出会い頭の衝突事故が多く発生しており、被害者にも加害者にもなりうる危険性をはらんでいます。

さらに、社会の関心も高まっています。2026年4月1日からは改正道路交通法が施行される予定となっており、自転車の乗り方や違反に対する目が、これまで以上に厳しくなる可能性があります。ヘルメット着用の努力義務化のように、時代とともにルールも変化しています。「知らなかった」では済まされない状況が、すぐそこまで来ています。

こうした背景から、JAFはすべての自転車利用者が安全に道路を利用できるよう、新しい情報サイトと動画を公開しました。

子どもから大人まで。「自転車ナビ」で学ぶ新習慣

今回、JAFが新たに公開したのが特設サイト「自転車ナビ」です。このサイトの大きな特徴は、未就学児から高齢者まで、それぞれの年代や生活スタイルに合わせて注意すべきポイントを解説している点です。

例えば、こんな内容が紹介されています。

  • 小さなお子さんを持つ保護者向けチャイルドシートに子どもを乗せて運転する際の注意点や、親子で交通ルールを学ぶためのヒントなど、具体的な場面を想定した解説が充実しています。
  • 通学で使う中高生向け友達との並走や、スマートフォンを操作しながらの「ながら運転」の危険性について、事故の事例を交えながら分かりやすく説明しています。
  • 通勤や買い物で使う大人向け車道を走る際の基本ルールや、歩行者に配慮した運転マナーなど、社会人として知っておくべき知識を再確認できます。

このように、自分の状況に合った情報が見つけやすくなっているため、誰でも無理なく安全知識を身につけることができます。

動画で体験する「ヒヤリ」とする瞬間

ルールを頭で理解するだけでは、とっさの危険に対応するのは難しいものです。そこでJAFが力を入れているのが「実写版 危険予知トレーニング」です。

危険予知トレーニングとは?

事故が起きそうな交通場面を映像で見て、「どこに危険が潜んでいるか」「どうすれば事故を避けられるか」を事前に考えて予測する練習のことです。実際に危険な目に遭うことなく、安全に危険を学ぶことができます。

今回、このシリーズに「自転車編」の新作動画が2本追加されました。

例えば、見通しの悪い交差点に差し掛かる場面。運転している自分からは何も見えなくても、「もしかしたら、角から歩行者が飛び出してくるかもしれない」と予測する力が養われます。

こうしたトレーニングを繰り返すことで、道路に潜む危険を自然と察知できるようになり、事故を未然に防ぐ能力が高まります。文章を読むのが苦手な方でも、映像なら直感的に危険を理解しやすいでしょう。

具体的に、どんな運転が危ないのか?

では、具体的にどのような運転が事故につながりやすいのでしょうか。日常でよく見かける危ない運転の例をいくつか見てみましょう。

  • 事例1:一時停止の無視「止まれ」の標識がある場所は、見通しが悪かったり、交通量が多かったりする危険な場所です。自転車も軽車両であり、この標識を守る義務があります。「誰もいないだろう」と通過した瞬間に、横から来た車やバイクと衝突する事故が非常に多く起きています。
  • 事例2:車道の右側通行自転車は、道路交通法で「軽車両」に位置づけられています。そのため、車道を通行する際は、自動車と同じように左側通行が原則です。右側通行(逆走)をすると、前から来る車と正面衝突する危険があり、極めて危険です。
  • 事例3:歩道を猛スピードで走行自転車は原則として車道を通行しますが、標識がある場合や、安全確保のためにやむを得ない場合は歩道を通行できます。しかし、歩道はあくまで歩行者が優先です。歩行者のすぐ横を猛スピードで走り抜けるのは、大変危険な行為です。

これらの危険な運転は、JAFのサイトや動画でより詳しく学ぶことができます。

安全のために、今日からできること

自転車事故を防ぐために最も大切なのは、一人ひとりが「自分は交通社会の一員だ」という意識を持つことです。車を運転する人、道を歩く人、そして自転車に乗る自分。みんながルールとマナーを守ることで、安全な道路が作られます。

今回JAFが公開した「自転車ナビ」や危険予知トレーニング動画は、自分の運転を振り返る絶好の機会です。週末に、ご家族と一緒にサイトをのぞいてみてはいかがでしょうか。「こんな時、危ないよね」と話し合うだけでも、安全意識は大きく変わるはずです。

自転車は、正しく乗れば健康にも環境にも良い、素晴らしい乗り物です。新しい知識を身につけて、これからも安全に自転車ライフを楽しみましょう。


【関連情報・リンク】

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あなたとクルマ編集部
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