「いつも停めている場所に、車がない…」 大切にされている愛車がある日突然なくなってしまったら、誰でも気が動転してしまいます。しかし、こんな時こそ落ち着いて、一つひとつ順番に対処していくことが何よりも大切です。
この記事では、川口市内で車の盗難に遭ってしまった場合に、ご自身を守り、被害を最小限に食い止めるために「何を」「どの順番で」行うべきかを、ご年配の方にも分かりやすく、丁寧に解説します。
はじめに:盗難かな?と思ったら
まずは、本当に盗難なのかを冷静に確認しましょう。ご家族が車を移動させていたり、レッカー移動されたりしている可能性もゼロではありません。どこを探しても見つからない場合に、盗難の可能性を考えて行動を開始します。
盗難後の手続きは、大きく分けて3つのステップがあります。
- 警察への連絡
- 保険会社への連絡
- 運輸支局での手続き
この順番が非常に重要です。それでは、一つずつ見ていきましょう。
ステップ1:【最優先】警察に連絡し「盗難届」を出す
盗難に気づいたら、何よりも先に警察へ連絡してください。これがすべての手続きの第一歩となります。
1. すぐに110番通報する
まずは落ち着いて110番に電話をかけ、「車が盗まれました」と伝えてください。場所や状況を説明すると、警察官が現場に来て初期調査をしてくれます。
2. 警察署で「盗難届」を提出する
次に、お近くの交番か、川口警察署へ直接行き、正式な「盗難届」を提出します。
なぜ盗難届が重要なのか? この届出をしないと、警察が本格的な捜査を開始できません。それだけでなく、後で行う保険金の請求や、自動車税を止める手続きもできなくなってしまいます。あなたご自身の財産を守るための、最も重要な手続きです。
手続きが終わると、警察から**「受理番号」**という番号が伝えられます。この番号は、後の手続きで「警察に届け出た証明」として何度も使いますので、必ずメモを取って大切に保管してください。
【盗難届に必要なものリスト】
- 運転免許証などの本人確認書類
- 印鑑(認印で大丈夫です)
- 車検証(もし車の中にあって手元になくても手続きは可能です)
- 盗まれた車の情報(ナンバー、車種、色、盗まれた日時や場所など)
ステップ2:加入している自動車保険の会社へ連絡する
警察への届出が終わったら、次はご自身が加入している自動車保険(任意保険)の会社へ連絡します。保険証券などに記載されている事故受付の電話番号にかけましょう。
なぜ保険会社への連絡が必要なのか?
「車両保険」という補償を付けている場合、盗難の被害に対して保険金が支払われる可能性があるからです。愛車の金銭的な価値を補ってもらうための大切な手続きです。
電話をすると、担当者から状況を聞かれます。その際に、警察から伝えられた「受理番号」が必要になりますので、準備しておきましょう。今後の手続きの流れや、必要な書類について詳しく案内してくれますので、その指示に従ってください。
ステップ3:運輸支局で「一時抹消登録」の手続きをする
警察と保険会社への連絡が終わったら、最後に少し専門的な手続きを行います。それは、盗まれた車の登録を一時的に止める「一時抹消登録」という手続きです。
なぜ「一時抹消登録」が必要なのか?
この手続きには、2つの大きな意味があります。
- 自動車税の支払いを止めるため 車は登録されている限り、毎年自動車税がかかり続けます。この手続きをしないと、手元にない車の税金をずっと払い続けることになってしまいます。手続きをすれば、翌年度からの課税が止まり、その年度の支払い済みの税金も月割りで戻ってくる場合があります。
- 盗難車が犯罪に使われるリスクに備えるため 万が一、盗まれた車が犯罪に使われた場合でも、登録を抹消しておくことで、ご自身が事件に巻き込まれるリスクを減らすことができます。
川口ナンバーの車の場合、手続きはさいたま市にある**「埼玉運輸支局」**で行います。
【一時抹消登録に必要なものリスト】
- 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)と実印
- 理由書(盗難届の受理番号などを記入します。用紙は運輸支局にあります)
- 手数料(350円)
- 本人確認書類(運転免許証など)
車検証やナンバープレートは手元にないのが当然ですので、窓口で「盗難により返納できません」と伝えれば大丈夫です。
忘れてはいけない、その他の確認事項
- クレジットカードやETCカード:もし車内に置き忘れていた場合は、すぐにカード会社に連絡して利用を停止してください。不正利用を防ぐためです。
- 自動車ローン:ローンが残っている場合、残念ながら車の支払義務は続きます。ローン会社や販売店にも事情を説明し、今後の支払いについて相談しましょう。
まとめ:慌てず、着実に手続きを進めましょう
愛車が盗まれるという経験は、精神的にも金銭的にも大きな打撃です。しかし、被害に遭ってしまった以上、ご自身の被害を最小限に抑えるための行動が重要になります。
「警察 → 保険会社 → 運輸支局」
この順番を忘れずに、一つひとつ着実に手続きを進めていきましょう。この記事が、万が一の事態に直面された方の一助となれば幸いです。一日も早く、あなたの愛車が見つかることを心から願っております。





